綿毛のようにぼんや

りした輝きを放つワ

ンピースがふくらみ

、ガーベラの咲いた

サンダルのつま先が

こちらをむく。

「よ、妖精」

片手をあげてヒヅメ

を踏みだす。

「こんばんわ、

ブタ」

少女は疲れたように

微笑んだ。

「また来たんだー」

「来るよ。ここ、散

歩コースにしたから

ね」

「ふーん」

欄干にひじをのせて

頬杖をつき、うさん

くさそうな目でブタ

を見る。ゆらゆらと

空気が揺れる。彼女

の髪も一緒にゆれる



「あたし、本当に妖

精なんだよ。自殺と

めようとしてるんな

ら、無意味だよ。ど

うしたってそのうち

、川床に行かなきゃ

なんないんだから」

ため息をつくように

呟く。