「うん」
「えー!?」
平べったい目を見開
いて、信じられない
という風に彼女は左
右に首をふる。
「あの問題児と?
田中くんが?」
「問題児とか言わな
いでくれる? 友達
なんだけど」
乾いた表情に不機嫌
をまぶして、彼は雑
巾を洗いに行ってし
まった。
「信じらんない」
げぇっと口をあけて
斎藤さんはメガネを
はずした。クロスで
きゅっきゅとふいて
いる。
吉良よしおってい
うのか、あの子。
なおはドキドキし
ながら、斉藤さんに
話しかけてみよう!
とオヘソのあたりに
力をこめた。クラス
メイトに普通に話し
かけるのなんて久し
ぶりだ。いつもは無
視されるけど、今な
ら答えてくれるかも
しれない。



