朝日にとかされなが
ら、すきとおってゆ
く氷のようにきらき
らする瞳。
「そーっすか。ま、
いいや。見つかった
し。じゃ、いってく
るわっ」
なげキッスをしなが
ら、嵐のように『元
気』が去ると教室は
明かりをひとつ落と
したみたいに薄暗く
なった。
「さっきのさ、12組
の吉良よしお?」
机にむかって参考書
を開いていた斉藤さ
んがシャープペンを
カチカチさせて、前
髪をくしゃくしゃす
る。きみひろは温度
の下がった視線を彼
女にすべらせる。
「そうだけど」
「うわ、やっぱり。
実物初めて見た。あ
れは噂どおりってや
つだね。……田中君
まさかさぁ、吉良と
知り合いなの?」



