骨がくっきりした
シャープな輪郭に、
ゆるくウェーブした
髪がふんわりとかか
っている。眉と目の
位置が暑苦しくない
程度に近い。素直に
笑ったところを見た
ことがない、空虚な
横顔。
「遅くてごめん」
「べつに。さっさと
片せば」
四角い黒ブチメガネ
を貫通させて、蛙の
卵のような瞳が、な
おをつきさす。
「はい……」
そそそくさと言われ
たとおりにする。
「あの、台……片付
けようか?」
一応聞いてみる。
「は?」
かがんでいた体を伸
ばし、彼は眉間にし
わをよせた。めんど
くさそうに答える。
「おまえ当番じゃな
いだろ」
思ったとおりの、彼
らしい返事。
「うん……」
だけど、ここずっと
配膳台を片すのは、
なおの仕事だった。



