妖精とブタはこれを
楽しみに待っていた
。
「満月だけどよく見
えるね」
「そうだね、ちょっ
と綺麗だねぇ」
「ちょっと? 『す
ごく綺麗!』じゃな
いの? もう少し感
動したらどうなの」
ぷっとむくれる妖精
。ヒヅメで鼻を鳴ら
す。
「すごく綺麗だね」
「でしょ?」
無言で見つめあって
、赤くなって、ごま
かすようににらめっ
こする。しまいには
、くつくつくつくつ
笑いあう。そうして
2人は、星空を仰い
だ。瞳を輝かせて、
ありったけのお願い
事をする。これだけ
星が降れば、ひとつ
くらいは叶うはずで
ある。来年も再来年
も星はふる。



