「はいはい俺も好き
ですよ。好きならな
んでも言ってくれり
ゃあいいのに。きみ
ひろって食えねぇな
ぁ」
困ったように微笑ん
で、彼はメガネをお
あげる。
「悩みなんてそれく
らいなんだけどね」
「なんだよそれー。
もしかして、俺と友
達やめたいっつうこ
と? 俺がバカだか
ら?」
うなだれたよしおの
肩が、ガシッとつか
まれる。
「君たち、畑のお世
話はどうなっている
のかな」
いつの間にか入って
きたらしい、常居の
指が、よしおの皮膚
にくいこむ。
「ミニトマト123号
は、よしおくんが育
ててくれるんじゃな
かったかな? 枯れ
ていたような気がす
るよ。見間違いだと
思うけど」



