何に対してほっとし
たのかよくわかんな
いけど、とにかく気
持ちが軽くなった。
園芸部部室にて、
少年達は真剣に見つ
めあう。よしおは、
何か言わない限り、
一歩もひかないつも
りらしい。
「じゃあ言おうか」
きみひろはにこやか
に口を開く。
「おまえが好きで好
きで。好きすぎて、
悩んでたんだ」
「はぁ?」
彼は脱力して、眉間
をしぼる。金髪は生
活指導の教師に染め
なおされた。ワカメ
みたいに青黒い頭を
かきむしる。
「なんなんだよ、ご
まかすなよ! 少し
は信用しろよな。な
んかあるんだろー、
悩み!」
「だから、おまえの
こと好きなのが悩み
なんだよ」



