それから――。な
お達は恐るおそる家
に帰った。彼女は母
親にこっぴどくしか
られ、彼はあの格好
をとやかく言われる
ことなく、泣きはら
した目の母親に、優
しく抱きしめられた
。ちゃんと生きてい
た。別々の形で、そ
れを実感した。彼の
親が学年中の生徒に
電話をかけていたた
め、『優等生家出』
というスキャンダル
を知らぬ2年生はい
なかった。登校する
なり、きみひろとな
お
が朝帰りしたとか、
付き合っているとか
いう噂がささやかれ
ているのを、耳にし
た。呆れてしまう。
ヒソヒソされて、笑
われても、どこも傷
つかない。ただ呆れ
てしまう。一足先に
席についていたきみ
ひろは、冷笑してい
る。



