゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


葉ずれのような笑い

がおこる。

「はい、右隣、三田

どうよ?」

自分は関係ないと思

って、よく磨いた爪

を眺めていた彼女は

ぎょっとする。

「……わかんないで

す」

「はい、左隣」

ブレスレットがわり

につけている色とり

どりのゴムの束をい

じっていた長野ゆう

りは無言で首を横に

ふる。くすっ、くす

くす。おさえた笑い

声が大きくなる。

「はい、前」

ひきつった顔の常居

に指名され、ごくり

と唾を飲みくだす。

一転、こんな時にだ

け笑い声が消え、冷

たいまなざしが集ま

るのが感じられた。

「わかりません」

「おまえら……全員日本語読めんのか」

よく通る声で怒鳴っ

て、丸めた教科書で

ゆうとの机を叩く。