「そっか」
「うん」
どこまでもどこまで
も走ってゆく。少し
も息があがらない。
肌に浸透して、血管
のすみずみまで洗い
流していく風に、心
はすっかり軽くなる
。髪の毛は草原のよ
うに波うっている。
「俺、おまえのこと
好きだよ。友達とし
て、だけど」
ザァっと強い風が、
丈の高い草をなぶっ
た。なおはその言葉
を噛みしめ、ふんわ
り立ち止まる。まわ
れ右する。
「あたしだって好き
だよ。友達として」
向かい合い、胸を張
る。
「友達として」
「友達として」
「好きだよ」
同時に口にして、示
しあわせたように、
にっこり笑いあう。
朝露のように明るい
涙が、なおの頬をす
べった。



