この悲しさに比べた
ら、どんなこともゾ
ウリムシくらいの問
題でしかない。
「おまえ、意外と能
天気だな……普通怖
がるよね」
「そうかな?」
あきれている彼を置
いて、走りだす。涙
腺が決壊してしまい
そうだ。
「おいッ」
「わーいっ」
間抜けな声をあげて
、おもいっきりかけ
ていく。湿った瞳が
風に乾かされ、髪を
丁寧にすかれ、段々
とのびやかな気分に
なってくる。前だけ
むいて、いくらでも
走れそうなくらい体
が軽い。のび放題の
草地は、本当に、果
てしなく続いている
。終わりも始まりも
見えない。
「ブタは、なんでブ
タやってたんだよ」
一定の距離でついて
きながら、彼が叫ん
だ。



