なんでこんなに好
きなんだろう。
ウロコのようにぽ
ろりと、涙がこぼれ
た。
「冗談だよ。結婚な
んて。だいたいさ、
付き合ってもないの
に」
「おまえ……」
きみひろは笑いた
いのに笑えないみた
いに、頬筋をぴくぴ
くさせる。
「もういいから」
声が震えてしまう。
さくさく近づいて、
彼の目の前に立つ。
もういいよ。全然
よくないけど。もう
いいよ、わかったか
ら。
「それにしても、誰
が助けてくれたんだ
ろうね」
ごしごしまぶたをこ
すって、聞く。
「あたし、自力であ
がった覚えないし」
「……俺もだよ」
彼は気まずげに視線
をそらす。
「ていうか、ここど
こ?」



