「小さな頃はみゆの
服借りて、隠れなが
ら昼間も歩いてたん
だよ」
なおの視線をすくい
あげるように見て、
柔らかく苦笑いする
。彼女は、あっ、と
声をもらした。パズ
ルのピースがカチリ
とはまる。
ドッペルゲンガー
なんかじゃない。ト
ラックにはねられた
よしお君を助けたの
は――。
「今はほら、ゴツゴ
ツしちゃってさ。い
ろいろ粗が目立つか
ら、こんな格好、夜
しかしないんだけど
……」
さわさわと風が鳴る
。
「でもこういうのや
めたかったんだよね
。こういう自分、認
められるほど強くな
いし、俺。だから、
幽霊見たとか嘘つい
た」
「嘘だったの?」
カツラをもてあそび
ながら、こくんとう
なずく。



