゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


ガシッと彼の腕をつ

かむ。

「帰るって、どうや

って?」

顔をあげて、挑戦的

にこっちを見る。

 うっ。

 乾いた草原を見渡

してなおは言葉につ

まる。

「とにかく歩く」

「やだ」

「あ、ケータイ」

思いついて、ポケッ

トをさぐる。

「あれ? ない」

「流されたんだもん

。今ごろ川の底じゃ

ない?」

つっけんどんに言わ

た。むかっとくる。

化粧で汚れたほっぺ

たを、叩いてやろう

と手をふりあげた。

あと少しというとこ

ろで、視野が濁る。

目の表面に透明な膜

が張り、つるりとむ

ける。きみひろは慌

てたように顔の前で

手をふって、

「いや、あの、ケー

タイあってもさ、た

ぶん使えないじゃん

?」