「6日も、待ったの
に。あんた宛ての遺
書はないんだから」
遺書?
ふと、彼女が裸足
であることに気がつ
いた。派手なサンダ
ルは、くるぶしの側
にそろえられていて
、さらりと茶封筒を
のせている。少女は
ハミングして、前の
めりになる。水中の
何かに目をこらすみ
たいに、体を傾けて
いく。水音の幻聴を
聞いて、なおはかす
れた悲鳴をあげた。
感覚の鈍くなってい
る脚を、必死に走ら
せる。考えなしに、
彼女にしがみつく。
が、ほっとしたのも
、つかの間だった。
体のバランスは大き
く崩れていて、かか
ともつま先も、もう
地面を離れている。
嘘でしょ。



