なおにとって、深
夜のそこは、オアシ
スのようなものにな
っていた。テストや
テストのせいで、こ
こしばらくは来てな
かったが。川が近く
なるにつれて、もく
もく不安がわいてく
る。ちょっと気分が
悪くなる。こめかみ
を押さえながら、橋
にむかって歩いてい
くと、欄干にひじを
ついた、ワンピース
の少女が見えた。シ
ャッキリ切りそろえ
られた毛先が、艶や
かに風を掃いている
。芯が強そうなのに
、ポッキリ折れそう
な背中は、まっすぐ
のびている。緊張し
ながら、彼女に迫っ
ていく。
「今日もブタは来な
かった」
妖精は、ぽつんとつ
ぶやいた。なおはビ
クッとする。



