マンホールがあいた
ら下水道まで探した
かもしれない。彼の
気配の粒子さえ見逃
さないように、つぶ
さに探す。とにかく
体力勝負であちこち
まわった。歩いてい
るだけなのに、息が
あがってくる。足の
裏がしびれて、感覚
が鈍くなってくる。
電柱によっかかって
少し休む。チカッチ
カッとまたたいて街
頭がついていた。空
を見あげると、透き
とおった薄紫の夜が
星をたたえていた。
汗にしみる涼しさで
、風が吹く。
「もう、夜なんだ」
脚は震えているけれ
ど、あまり疲れは感
じない。
まだ歩ける。
息を張り、足を踏
みだす。ぷちっと豆
が潰れた。かすかな
痛みに顔をゆがめる
。



