暗い考えをふりきる
ように、かけ出す。
バッグを玄関に投げ
捨てて、制服のまま
家を飛だす。それか
ら駅前にでて、本屋
という本屋をまわり
、入れる建物には全
部入った。人目も気
にせず、名前を叫ぶ
。制服をいぶかしが
る、無数の視線とぶ
つかりあいながら、
道という道を歩く。
床や、タイルや、フ
ローリングや、コン
クリート。アスファ
ルトや、草地や、土
や、ザクザクと続く
じゃり。かかとを地
面に打ちつけけなが
ら、何度も声をはり
あげる。
「どこ行ったの」
手でひさしをつくっ
て道路を見とおす。
熱を帯びて、空気が
歪んでいる。赤や青
の屋根が、小石ほど
の大きさに見えると
ころまで、誰もいな
い。



