「汚いから触りたく
ないな」
ゆみは上目づかいで
口端をつりあげる。
ねっとりした嫌なか
んじの笑顔。
「やんないの?」
このみはかすかに唇
をかむ。ふたつ結び
の髪をさわって、彼
女から逃げるように
なおのほうに歩いて
くる。
「ふざけんなよ」
憎悪の刻まれた表情
でつぶやく。乱暴に
なおの頭をつかみ、
ちゅうちょなく抜い
た。ショックをうけ
たせいか、さっきと
違ってあまり痛みを
感じなかった。
このみがこんなことするなんて。
「どうして……」
離れていく手をつか
まえた。真正面から
にらみあう。
「このみ、おかしい
よ。ずっと一緒だっ
たのに」
「さわんないでよ!
」
ゴキブリにでもかま
れたみたいな、嫌悪
で青ざめた顔をされ
た。



