娘の帰宅にも気づか

ない。子機を片手に

リビングでスキップ

している。

「おっほおっほ、そ

うみたい。なんでも

お化けがでたらしい

わよ、オホホホッ。

ざまあみろよね。お

ほほほ」

そのオバケのひとり

が自分の子供だって

知ったら、どうなる

ことか……。身震い

して、忍び足で階段

をかけあがり、ベッ

ドに飛びこんだ。た

ちまち安心する。肩

の力がどっと抜けて

、ほろほろと筋肉が

ゆるんでしていく。

5秒後には夢の底で

、ドーナツとワルツ

を踊りはじめた。桃

色のザラメが降って

くる。