救急車が数台、やか
ましく走り去ってい
き、パトカーが数台
路肩にとまっている
。おばさん達が、神
輿でも見ようとして
いるみたいに、ぎし
ぎしひしめいていて
、拡声器を手に叫ん
でいる体育教師の声
さえ、よく聞こえな
い。ボコボコにされ
ながら前へ進み、門
に近づく。
「あの、どうしたん
ですか」
困惑した様子で、き
みひろが尋ねる。拡
声器を口元から離し
て、先生はため息を
ついた。ポロシャツ
のえりで、銀色の笛
が揺れる。
「地元の暴走族が集
まって、なんかやっ
たらしいんだよな」
スポーツ刈りの頭か
らしたたる汗をぬぐ
い、苦い顔をする。
「事情聴こうにも、
うわ言ばっかいいや
がって」



