「あ」
横顔はゆっくりとま
ばたきして、薄膜が
かかったように笑っ
た。少しずつ暗闇が
晴れていく。やがて
、ありかのハッキリ
しない薄日に、土や
水や指のしわが、照
らされ始めた。糸の
ような閃光が、東の
空から放射状にさし
てくる。朝だ。
「やば……。早く帰
ろう」
目が覚めたように、
きみひろは立ちあが
った。彼はキリッと
顔をひきしめる。
「お前ら帰るぞ!」
寝る暇はなかった
。疲労こんぱいの体
にムチ打って、クレ
ンジングクリームを
ぬったくる。デコレ
ーションケーキみた
いにクリームで飾っ
た体をくるくるこす
って化粧を溶かす。
苦労してシャワーを
浴びる。



