「ハッ、誰が」
「死にたいんだな」
「きゃあぁああぁ」
月明かりに目が慣れ
てくる。楽しげな言
い合いと暴力的なシ
ルエットに頬を緩め
、なおは立ちあがっ
た。川べりに腰かけ
る。川面には、割れ
た月が、きらりきら
りと揺れている。ふ
と思いついて、靴を
ぬいだ。ドキドキし
ながらつま先を浸し
てみる。空気は湿気
てむあむあしている
のに、ちゃんと冷た
い。晴れやかなため
息が肩をたたいた。
ふり返ると、きみひ
ろが、にこやかにこ
っちを見おろしてい
た。
「隣、座るよ」
「うん」
足を水からぬいて、
川に背をむける。よ
しお達のほうをむく
。彼らは、楽しそう
に花火をふかせてい
る。



