「さっき拾ってきた
。……いらない?」
困ったように首筋を
さすって、苦笑。
「きみひろ君……わ
ざわざ探してくれた
の?」
ぐちゃぐちゃになっ
た化粧の下で、なお
は、林檎のような顔
色になる。
『ずっと
見てたから』
こないだ部室で聞い
たきみひろの声が、
唐突に脳内再生され
る。
『ずっと
見てたから』
リピート、
リピート、
リピート。
その度に、ほっぺた
がのぼせる。
きみひろ君が、わ
ざわざ探してくれた
ドングリ……。
「い、いる!」
「ん」
「ありがとう!」
ドングリをつまんで
なおの手へのばされ
た指先に、シャアー
ッと光の雨が降って
きた。



