゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


風の強い日だった。

頭上高く広がる、パ

ステルカラーのブル

ー。ふんわりとした

、このみのまつ毛で

、日の光が遊んでい

た。

 まぶたの裏に浮か

びあがってきた過去

のでき事が、ふわふ

わと涙腺から溶けて

いく。とことんしゃ

くりあげて、とこと

ん空っぽになって、

顔をあげると、優し

い眼差しに包まれて

いた。すぅっと、胸

の奥まで浸透して、

精神を安定させてい

くような視線。月あ

かりみたいに澄んで

いる。

「じゃあ……これ、

 いらない?」

彼は黒く染めてある

軍手をぬいで、懐中

電灯で手のひらを照

らす。

「ドングリ……

 なんで?」

目頭が熱くなる。