楽しそうにあちこ
ちで声があがる。
「死ぬのはまだ早く
ない?」
カールした短いまつ
毛にふちどられた目
を、くるくると輝か
せてゆみが頬杖をつ
く。
「あたし達、まだ全
然楽しんでないし」
ね? ちょこんと首
をかしげて周囲に目
配せする。一気に静
かになって、好奇心
と恐怖のないまぜに
なった目が、あっち
こっちでぎらぎらし
はじめる。
「今度トンちゃんの
名前呼んだらさ、罰
として髪の毛10本ず
つ抜くことにしない
?」
「うっわ~、あいつ
ハゲるんじゃね。ゆ
み、まじ天才じゃね
?」
ゆみと一番仲のいい
カナがこのみと肩を
くみ、クスクス笑う。
「じゃね?」
カナにうながされ、
このみもうなずく。
そばに立っている4
人も。



