゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


 楽しそうにあちこ

ちで声があがる。

「死ぬのはまだ早く

ない?」

カールした短いまつ

毛にふちどられた目

を、くるくると輝か

せてゆみが頬杖をつ

く。

「あたし達、まだ全

然楽しんでないし」

ね? ちょこんと首

をかしげて周囲に目

配せする。一気に静

かになって、好奇心

と恐怖のないまぜに

なった目が、あっち

こっちでぎらぎらし

はじめる。

「今度トンちゃんの

名前呼んだらさ、罰

として髪の毛10本ず

つ抜くことにしない

?」

「うっわ~、あいつ

ハゲるんじゃね。ゆ

み、まじ天才じゃね

?」

ゆみと一番仲のいい

カナがこのみと肩を

くみ、クスクス笑う。
「じゃね?」

カナにうながされ、

このみもうなずく。

そばに立っている4

人も。