゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


肺にすいこむのをた

めらうくらい、濃く

黒い煙が、もうもう

とたちこめる。イン

ラインスケートを駆

使して、よしおは彼

女らを殴り倒してい

く。少女の声の正体

は、彼が肩からかけ

ているラジカセだ。

 ゆみはメリケンも

木刀も放り捨て、校

舎に逃げこんだ。

「なにあれ……」

小刻みに震える手で

ケータイを取りだし

、操作する。

「圏外……? あり

えないんですけど」

足の裏がじわじわし

てきて、冷たい汗が

脇腹をすべりおりる



くす、くすっ

くすくすくす。

すすり泣きのような

ものが、聞こえてき

た。息をつめる。

「誰……?」

くすくすくすっ。

 違う……。

 唾を飲みこんで、

目をつむる。

 笑ってる……。