容子は舌打ちして、
ふり返る。さらにバ
イクが燃えていた。
いい加減消火しない
と、やばい。彼女は
、よっかかっていた
バイクから離れ、命
令する。
「どっかで水と消火
器かっぱらってこい
! 燃えてねぇ単車
は移動しろ!」
「はい!」
裾をひるがえし、刺
繍の入った背中が、
右往左往する。毒々
しい煙が頭上をおお
う。
「ねぇ」
呼びかけと共に、激
しい光りがパッと、
彼女の眼前に現れた
。視界がきかなくな
る。
「ねぇ」
歌を口ずさむ合間に
、呼びかけてくる少
女の声。突然、みぞ
おちに鈍痛がした。
足元から崩れおちる
。
「ねぇ」
光が消える。様々な
残像がやかましい視
界に、丸く光を背負
った目玉だらけの化
け物が出現した。



