「このみ、嫌だって
言ってたじゃん。ト
ンちゃんって呼ばれ
るの。いいの?」
薄茶色の目がふぅっ
と細められる。
「あんたに呼ばれる
より、ずっとマシ」
「なんでそんなこと
言うの。あたし、な
んかした? したん
なら言って。そした
ら謝るから。悪いと
こあるんなら言って
よ、なおすから。わ
けわかんないよ、急
に」
「しつけーんだよ、
黙って死んどけ」
優しげで大好きだっ
た笑顔で、そんなこ
と言われたら黙るし
かない。
そこまで憎まれる
ようなこと、あたし
やったんだ。けど、
問題なのは心あたり
がないってことだ。
納得できない。だか
らわりきれなくて、
もやもやと悲しい。
「うわ、トンコツこ
えー」
「こえー」
「こえー」



