「く、くるなー!」
目玉は、おちょくる
ように、ぎょろんぎ
ょろんダンスして、
窓をあけた。ちょこ
んと枠に座り、夜空
に寝そべるがごとく
体を倒す。
つるんっと爪先まで
、総長たちの視野
から失せた。ハッ
として下をのぞく
が、目玉の姿はカケ
ラもない。
「お化け……?」
おびえた様子の仲間
を蹴とばす。
「バカ野郎! そん
なもんいっかよ」
「けど……消えまし
たよ、リーダー」
「それがどうした」
「4階っすよ、
ここ」
びくびくしているの
を見すかしたみたい
に、線香の匂いがも
うもうと漂ってくる
。もくもくと空気が
白みを帯びていき、
冷たい風が吹きつけ
てきた。



