炭でも流したように
真っ暗である。
「誰か、火もってね
ぇ? あたし禁煙
中でさ」
「あ、あります」
誰かが言ったものの
、いっこうに火がた
つ気配はない。
「おい?」
小隊長を任されたナ
ミは眉を歪める。
ジッジジッジジッ。
きれかけた電灯のよ
うな音が耳をかすめ
る。ゴポゴポと水の
中で誰かがもがいて
いるような音が重な
る。息をつめた瞬間
、鼓膜をつんざくよ
うなハウリング。
「なんだ!」
叫んだ彼女の耳に忍
び笑いが届く。
「あたしね、今、階
段」
「は?」
はっきりした声が体
育館中に響きわたる
。
ゴソゴソと背後で何
かが動いている。



