バットの先を肩にの
せ、赤くぬりたくら
れた唇で弧を描く。
副リーダーの容子は
神妙にうなずいた。
長く尾をひく赤い髪
をなびかせ、肩を怒
らせる。威嚇(いか
く)するように靴音
を鳴らし、リーダー
達は歩いていく。ど
うやったら相手に恐
怖を植えつけられる
か計算しながら、茂
みをかきわける。だ
が、……誰もいなか
った。草木のほか何
もない。
「嘘だろ……」
あいつらどこ行っ
た? さっき落ちた
女は……?
総長は額に汗をか
いて、視線をあげた
。窓があいている。
「誰かいんのか」
威勢よく声を張りあ
げる。返ってくる声
はない。風がざわめ
く。
「花、ミズキ、サオ
リ! いねぇのか」



