「あ……あれ」
ひきつらせた顔を強
ばらせ、ゆみの指が
4階の窓をさした。
蛍のようなものが遊
泳している。教室の
電気がついたり消え
たりしている。ひっ
、という声があがっ
た。シルエットが窓
を通過して、木々に
突っこんだ。茂みは
そこそこ深く、夜な
のも手伝って、様子
を見に行った仲間の
姿も、人影らしきも
のの行方も確認でき
ない。
「あいつら遅くねぇ
ですか、リーダー」
ピリピリした副リー
ダーがライターをさ
しだして、遠慮がち
に言った。エンジン
をとめた不良たちは
腕を組み、顔色を悪
くしながら煙草をふ
かしている。視線は
、屋上と真下の茂み
とを行ったり来たり
している。



