゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


慌てて明るい声をだ

した彼に、白い腕が

じゃれつく。

「だってすんげぇ練

習してたし、コーチ

からも親からも期待

かけられてたし。遊

ぶ暇ないくらい体操

漬けだったし。

でも」

みゆの背に手をまわ

して、うっしっしと

笑う。

「今じゃよかったと

思ってるんだ。おか

げでみゆと付き合え

たし」

「そうだよね~。よ

っちゃんが事故って

声かけてくんなかっ

たら、たぶんまだゆ

みさんの子分してた

よ」

「やだわ~それ」

げんなりして、左右

に首をふる。

「ね? 逆によかっ

たんだよ。俺、今、

かなり楽しい毎日送

ってるし」

胸を張って、つやつ

やした八重歯を光ら

せる。