゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


「ダンプにはねられ

ちゃって。あんま無

理できない体になっ

ちまったから引退し

たの」

なんでもないことの

ように言う。

「ダンプにはねられ

 た……」

どう相づちを打って

いいかわからない。

 たぶん、こないだ

きみひろ君が言った

やつだ……。

 あまりに痛すぎて

二の句がつげない。

笑ってできる話じゃ

ない。馬鹿みたい

に明るい笑顔が、勇

ましいものに見えて

くる。

「やめろ……直角が

ショックうけてるだ

ろ」

ひきつった表情を

隠すように、きみひ

ろはうつむいた。そ

の目には今にも涙が

浮かびそうだ。

「あ~!」

顔の前で手をふって

「もう全然気にして

ないんだよ、俺。ま

じでぜーんぜーん。

そりゃ少しは落ちこ

んだけどさ」