常居のあっけない
ホームルームが終わ
り、あっさり出てい
くと、1時間目の教
師がくるまでの約15
分、ピリっとした緊
張感が室内に充満す
る。プリントで折ら
れた紙ヒコーキが、
カツン、カツン飛ん
でくる。ボタっと床
に落ちる時の、うす
っぺらなみじめさ。
時々ひざに着地され
た時のどうしたらい
いのかわからないか
んじ。錆朱(さびし
ゅ)の『死ね』という
文字を乗せた飛行機
が、迷惑な油のよう
に打ち寄せてくる。
海洋汚染だ。
思ったとたん、ざ
ぶんと潮騒が聞こえ
てくる。
ざぶんざぶん。
真っ白に近い頭の中
で引いたり満ちたり
している。さんさん
と日の降り注ぐ陽気
な浜辺にカラフルな
パラソル。



