このみの鋭い声がゆ
るみきった涙腺につ
き刺さる。きみひろ
は一瞬だけ、顔をく
しゃくしゃにした。
人目からなおを隠す
ように抱きしめる。
……ちょ、きみひ
ろ君。
びっくりしすぎて
言葉が出てこない。
涙が石化する。
「うわ!
こいつらできてん
じゃねぇの」
自分達の役割を思い
だしたかのように男
子がはやしたてる。
なおはたじろいだが
、彼は動じていない
。貝殻になったみた
いに、かたくなに彼
女を包んでいる。
「まさか、こいつの
こと好きなの?」
「悪いかよ」
意思をもった声が
響いた。バカにした
ように笑っていたク
ラスメイトが、顔を
ひきつらせて黙りこ
む。



