もうどこにも居ない
かもしれない彼女か
らのプレゼントだ。
他人からみたら、大
げさにちがいないけ
ど、ずっとそばにあ
った大事なもの。
なくしたくない。
不意におなかに手
がまわされた。空中
に泳ぎだそうとして
いた体を、廊下側に
ひっぱられる。
おもいきり、尻餅を
つく。バタバタ翼を
扇いだ鳥の羽根のよ
うに、はらはらと宙
を舞うわら半紙。腰
が痛くないことに気
づき、ハッとしてど
くと、紙のように白
い顔をしたきみひろ
と目が合った。彼の
おなかに乗っていた
のだ。
「死ぬ気かよ」
にらんだ眉毛と、泣
き出しそうな瞳。こ
わばった頬、ふるえ
た唇、気遣わしげな
手。



