゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


意識が遠のく。ポケ

ットから魂が抜け落

ちた。それはコロコ

ロとなおから離れて

ゆく。

「なあに? これ」

このみが口角をつり

、つやつやしたそれ

をつまみあげる。

「ドングリ? こな

いだのやつ?」

なおは奥歯を噛みし

めた。このみの笑顔

はとてもゆがんでい

て、とても救ってく

れそうにない。むし

ろ傷つけようとして

いる。

 ああ、もう昔とは

ちがうんだ。

 胸の奥で、コーヒ

ーがとけてくような

気がした。指先まで

苦みがいきわたり、

口の中も渋くなる。

 もう、このみは変

わっちゃったんだ。

 だけど、ほんの少

しだけ。小指の爪に

も満たないほどに少

しだけ……。