全員青ざめ、呼吸も
ままならないほど緊
張している。
「ちょっと……怖い
よ。落ち着いて」
機嫌をなおそうと近
づいたカナは、容赦
なく殴り飛ばされる
。壁に背を這わせ、
ずり落ちた彼女の口
から、一筋……赤い
ものが流れでる。小
さな悲鳴があがる。
それを見て、このみ
は一歩さがる。
「ゆみっち……犯人
はあたし達じゃない
よ」
間あいをとりながら
、歪んだ笑みを広げ
る。
嫌な予感がする。
「ゆみっちのこと恨
んでるやつが一人だ
けいるじゃん」
「一人だけ?」
ぴくんっと肩をけい
れんさせたゆみが、
ぎょろりとふり返る
。
お母さんより怖い
顔。



