きみひろを下敷きに
していた。
「ごめん!」
「痛い」
「ごめん……ケガし
た?」
くふふふふ。
体をふるわせて笑っ
ている。
……頭でも打った
のかな。
「全然」
手で地面を押して、
あざらしのように体
を起こすと、裂けた
みたいに口をあけ、
彼はげらげらと笑い
はじめた。
「きみひろ君」
あぶらっぽい汗をか
きながら、どこから
も出血していないこ
とをたしかめる。
「きみひろ君?」
彼は目尻をぬぐい、
ほぅっと息をついた
。
「楽しい」
「は?」
「楽しいって意味不
明だな」
あんたのほうが意
味不明だよ。
彼女は額をぬぐっ
て、立ちあがった。



