焼きたてパイのよう
につやつやしたバス
ケットが、陽気に揺
れている。手作り弁
当やら水筒やらが、
おさまっているらし
い。おかげでなおは
手ぶらだが、すがす
がしさよりも眠気の
ほうが勝っている。
湿ったスニーカーを
ぐったりと、前へす
すめる。
「こんな早くから来
なくてもよかったん
じゃない」
「もうほとんど夏だ
よ? 早く来なきゃ
暑くてピクニックど
ころじゃなくなるっ
て」
「そうかなー、今日
涼しいって言ってた
よ」
「そうなの? まあ
、いいじゃん。早く
来たほうがピクニッ
クってかんじする
し」
「そうかなあ」
ごろりと、石ころで
すべりそうになった
。あせって足を前に
だす。



