゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


「なんでそんなこと

知ってるの」

「調べたの」

なんで、と口を開き

かけてやめた。

「……ふーん」

闇の厚みが薄くなっ

て、学校の輪郭が見

えてきた。黒く並ぶ

窓の一角を、非常灯

の人工的な光が満た

している。物寂しい

グリーンを背景に、

人影が現れそうな気

がして、ブタは身震

いした。

「じゃ、はい。ちゃ

んと処分するのよ」

よれよれに重ねた、

不審者注意を促す紙

を押しつけて、くる

っと一回転。ひるが

えるすその鮮やかな

白さに、目がひきつ

られる。爽やかな香

りが漂ってくる。

「またね」

バイバイ。くすくす

笑いながら風のよう

に去っていく。