゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


「きみひろ君?」

「猿みたいに身軽で

、うらやましかった

んだ」

うすめたりんごジュ

ースの色をした光が

、葉むらの隙間から

細く射している。

外に足を踏みだして

、彼は空を見る。黒

い髪が日にすけて、

紅い。

「今度さ、ピクニッ

クでもしない?」

思いつめていた声が

一転、明るくなる。

「ぴくにっくぅ?」

「行こうよ」

伸ばした腕を頭上で

組み、ぬーんと体を

そらしてふり返る。

なおは、目をこすっ

た。

 おかしい。ラメで

も降ってるみたいに

きみひろ君が光って

みえる。

「ぴくにっくぅ?」

 ちりちりと光を散

らす彼にみとれつつ

、もう一度、そう言

った。