「あー俺んとこも
あったわ」
「そうなんだ」
さくさくっとクッキ
ーをかみ、なおは頬
杖をつく。
「みんないっぱいひ
ろってたんだけど…
…あれ、虫がでてく
るでしょ? あたし
それが怖くてひとつ
も拾えなかったの」
「気持ち悪いよな、
あれ」
足首をくんで、こく
んとうなずく。
「その時、あたし泣
き虫でさ、クラスで
浮きまくってて友達
がひとりもいなかっ
たんだよね。みんな
がどっさりビニール
袋につめてるの、め
そめそして見てたの
。そしたらこのみが
来て、ツルツルのド
ングリをくれたの」
一息ついて、うつむ
く。鼻の奥がつぅん
とする。
「怖くないよってな
だめながら一緒にひ
ろってくれたの」



