゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


水色の絵の具を薄く

のばしたような空。

端がしろっぽく見え

、まるで、無いみた

いに高い空。顔中、

涙に濡れていたけど

、みんなに見向きも

されず、胸の奥から

ほどけていってしま

いそうなくらい寂し

かった。

「ね、泣かないで」

 ほくほくした声が

鼓膜をなぜる。ぼや

けた視野を林に戻す

と、目の前に手がさ

しだされた。優しげ

なグーが、ほわんと

開く。落ち葉がめく

れあがって渦をまき

、吹き抜けていった



「あたし、このみっ

ていうの。だから

ドングリすきなの。

なおちゃんはきらい

なの?」

はにかんだような

笑顔。

「これ、あなあいて

ないよ。だからこわ

くないよ」