なおが聞くと、ぶん
ぶんタテに首をふる
。今までのイタズラ
に比べたら地味だ。
「だけだよ。なんな
のあいつ。なんか、
やなことでもあった
の?」
「どこに」
呟くように言って、
部長は鋭く彼を
見おろした。口元が
ひきつっている。
「どこにって……」
「車にしたんじゃね
ぇの?」
「ん、なんでわかん
の」
「はぁ」
彼は眼鏡をはずし、
目頭をもみながら、
重たい息を吐き、
ドロンとしたまな差
しをよしおにむける。
「あれな、熊谷先生
のお気に入りらしい
よ。高かったって、
こないだ自慢された
。この車に傷ひとつ
でもつけた奴は、殺
してやるっつってた
よ」
「えー!? まじで」



