「だから、取りあえ
ずは直接相談しろよ
。何もしなくていい
んならそれでいいし
」
「んー、そうだね」
頷きかけたその時。
キンコンカンコン。
マイクが入るボツボ
ツした音の次に、軽
快に鉄琴がたたかれ
た。
「えー、2年12君の
吉良くん。えー、吉
良よしおくん。校内
に残っていたら至急
職員室へ来てくださ
い」
ふたりは、顔を見
合わせてブッと吹き
出す。
「また
呼ばれてるー」
「今度は何やったん
だあいつ」
なおは錆(さ)びつ
いた鉄格子の影を浴
びながら、クスクス
笑う。空気はじめじ
めしているが、陽射
しはカラッと
乾いてきた。
もうすぐ夏だ。



