「気分悪かったら
帰っていいよ」
「大丈夫」
彼はクッションに
腰をおろし、背をそ
らす。
「常居にね、助けて
やってよって言った
らさ」
骨ばったあごを引い
て、唇をとがらせる
。
「『直角が直接言っ
てこない限り、俺は
一切手をふれない』
って言いやがったよ
あいつ。それがお前
のプライド守ること
だって」
「プライド」
「わけわかんないだ
ろ。職務怠慢だ」
心底腹立たしそうに
言って、刺繍をなぜ
る。
「んー」
シロップいれすぎ
た。
ほっぺたをつねり
ながら、コーヒーを
底まで飲んでから、
なおは顔をしかめる
。甘ったるいのがご
ってりたまっていた
。舌がダルダルする
。



