心配そうにのぞきこ
んでくる彼の手首を
、がしっとつかむ。
首をしめられている
わけではないのに、
息苦しくてしょうが
ない。
「熱なんてないよ。
こんなのは扇風機あ
ててればいいんだ」
目がまわりそうにな
りながら、扇風機に
頭突きした。なにや
ってんのか自分でも
よくわからない。意
味不明に恥ずかしく
なってきた。
「大丈夫……?」
「だいじょぶだから
、ちょっと離れて」
おでこを押さえて
深呼吸。
何度か繰り返して
やっと落ち着いてく
る。
もう大丈夫かな。
まぶたをあけて、
再び朱色に染まる。
ここに、あたしの
手がふれているここ
に、きみひろ君の手
があったんだ。



